About LABEL SORA

  

  


     

レーベルに込めた想い

  

レーベルに込めた想いには…大きな社会的背景があります。  

 

人は誰もが、幼いころから大なり小なり、自分らしい独自の「価値創造力」があったはず…。ところが、価値創造力どころか、自分らしさを見失うオトナが随分と多いようです。

 

コレは…モノや情報があふれる成熟社会を背景に、他人と見劣りしない「成功」を勝ち取るステータス…つまり、社会的地位や経済力で他人より優位に立つことが豊かさの象徴と勘違いしてしまう風潮がなかなか止まらないことが一つの要因であるようにも思えます。

  

   

  

「成功」には憧れるのに「成長」意欲は薄い傾向

   

この風潮は、皮肉にも、一人ひとりの「価値創造力」をさらに小さくしてしまう負のスパイラル状態を引き起こす要因になります。なぜなら、成功していることや成功者であるかどうかということばかりを意識し始めると、普通の人なら、どうしても失敗することを避けるようになるのが、自然の流れだからです。

 

その流れは日常の暮らしにも自然と入り込んでいます。

つまり、利便性や合理性の追求の中から供給される「完成品」(想定成功品と言ってもイイでしょう)ばかりに依存するようになり、自分らしい暮らしを自ら創ろうとする「成長」意欲はどんどん薄れて行きます。そうすると、完成品をラクに手に入れることにおカネが必要となり、楽しくない労働に自分の時間と心を費やしていく…。

このあたりのことは、昨年11月に篠山の「木工と暮らしの店 6」の家具職人・荒西浩人氏と一緒に行ったトークライブでも触れています。

  

こういう流れになっていることを憂いていると、「でも、それは仕方のないこと。社会の現実なんて、そういうものでしょ?」と…妙に落ち着いた口調で諭す人もいます。ところがそれは落ち着いた口調であるだけで、疲弊していることを隠しているというのが実態なのかもしれません。

  

そうした中、「本当はコレで良いはずがない」と気づき始めて、行動に移す人達もたくさんいます。実は、潜在的には、大半の人が「本当にコレで良いはずがない」と気づいているのでしょうが…、新たな価値創造に挑み自分らしく生きる人を目の当たりにすると、「自由な人」と評して羨むか、もしくは、今ではまだまだ少数派のそういう人達のことを「もっと現実をみて大人になれよ」と子供扱いしたりする人も現れたり…。

   

 

「強がり」と「負けず嫌い」は違う

ところが冷静に考えてみると…

   

それは、自分らしく生きることに挑み始めている人を卑下することで、自分の「強がり」を示しているに過ぎないんですね…。

挑むことを避けるようになった自分の「弱さ」と向き合うことはなく、人を見下すことで「強がり」を言っているだけだったりするわけです。

  

一方、ボクの周りの仲間たちには、「負けず嫌い」な人が、たくさんいます。

 

この「負けず嫌い」な人は、「強がり」と違って、まず自分の「弱さ」としっかり向き合います。それを素直にしっかりと受け入れ、どうすればその弱さを克服して、自分が想い描く境地へ辿り着けるのかを、もがきながらでも、ひたむきに前に進み続ける「強さ」があります。

子供達の学生スポーツや吹奏楽など、目標に向かって必死に頑張るピュアな姿は、そこにたくましさと美しさを感じたりするわけです。

  

その「強さ」が自然に身についてくる人は、何ら悔いることのない「やり切った感」に、自身の豊かさや充実感を得たりします。

言い換えれば、「強がる人」は後悔する生き方になりがちであり、弱さを認めながらも「負けず嫌い」の人は、後悔しない生き方ができる人と言っても良いでしょう。

 

さらにもう一つ…なぜそうした人には本来の「強さ」を感じるのでしょう?

それは、「ウソ」がないということでしょうね。自分の弱さをヒタ隠すウソがないから、大半の言動に、信頼性が強くなっていくわけです。  

   

  

消費者から生活者への自覚

  

ココで…先に述べた「世の中に出回る完成品に依存ばかりしていると、どうしても消費財を獲る権利としてのおカネ獲得という構造ばかりに意識が強くなりがち」という話に、もう一度戻しましょう。

 

これまでは、過去100年間で3倍もの人口増となっていった成長経済環境だったわけですが、これからは2030年までに20~30代の人口が3割減、2050年には5割減という、ボクらも先代も経験したことがない急激なマーケット縮小化という経済環境になります。 

  

誰も経験したことがないわけですから、これまでの価値創造プロセスの固定観念や既成概念の全く通用しない事態も起こり得るわけです。それは、マスマーケティングを中心に完成品を作り続けてきた大手企業の価値創造力が通用しなくなる可能性が高くなることを意味します。

同業他社との競争力での「勝ち組」にこだわる大手企業よりも、本質的な価値創造力向上の意欲が高い個人事業主の「価値組」が台頭してくる時代が来るかもしれません。

  

そこで、一人ひとりの暮らしの中から、新たな価値創造力も見出していくことが求められ、また、一気にマーケットが縮小していくからこそ、人のリアルなつながりのチカラも、一人ひとりが強く意識しないといけない時代になるのは明白なわけです。

  

つまり…

  

いつまでも「消費者」ばかりの感覚ではいけないということなんでしょうね。

 

我々は「消費者」でありながら、これからの新しい価値創造に一人ひとりが何ができるのかという「価値生産者」になっていくこともしっかりと意識していかないといけないのでしょう。「消費者」の立場であると同時に「価値生産者」である両面を見据えた「生活者」であることをしっかりと受け入れないといけない時代なのです。

  

  

「価値生産者」とは言っても、何もモノづくりやおカネの流通を産み出す商いだけではなく、一人ひとりに自分にできること、自分だからできること…それがたとえ、公園の掃除のようなカネ勘定に表れないことでも意味のある生産と言って良いのでしょう。しっかりとした自分にできる『なりわい』の姿勢を、次世代の子供達に響くように示していかないといけません。

 

なぜなら、彼らの世代は、間違いなく訪れる急激なマーケット縮小化でもしっかり成り立つ新たな経済を創って行かないといけないのです。それはどういう「やり方」を構築すれば成り立つ経済になるのか、残念ながら、今のところボクら世代でも皆目見当もつきません。

しかし、だからこそ我々ができること…それは「価値創造にラクをせずに楽しんで挑む姿勢」を子供の心に響くようにしっかりと見せて、我々オトナが背中で「あり方」を語っていくことが、最大の使命なのでしょうね。

これは、教育現場としての学校ばかりに依存するのではなく、各家庭や地域の中でも、もっと子供達との向き合い方を変えて行かないといけない…という自戒の念も沸いてきます。

   

消費者という立場は、おカネを払う瞬間だけであって、自分達もまた、人様に喜ばれた対価を稼ぐ側…。その両面性をひっくるめて『生活者』なんですよね。

つまり、生活者とは…『生きて活かし合う者たち』と捉えてみると、まず自分はどういうことから何で実践に移せば良いのか…それを高め合える仲間を今のオトナ達で増やして、次世代を担う子供達の心に響かせていきたいと、ボクらは、日々の暮らしを丁寧にしていくべく、次のような「あり方」を示しています。

   

  

不完全であることをもっと楽しもう!

  

  

ボクらは、「小さな失敗の回転率を上げる」という表現をしますが、常に自分らしい働き方や暮らしづくりに精進していく人は、失敗もたくさんしています。

でも、よく言われているように、「失敗は、挑戦し続けている者である証」です。

  

それは、サラリーマンであろうと、事業家であろうと、専業主婦であろうと、自分にできること・自分だからできること・自分にしかできないことは何かを常に能動的に追求している人は、その人オリジナルの立派な「なりわい」になります。

  

起業しても顧客の満足に応えられる価値創造ができずに廃業する人もたくさんいますし、逆に組織に属しているサラリーマンでも、しっかりと顧客の支持を得る価値創造に貢献している人達もたくさんいます。そこに、ハッキリと「自分らしさ」が出ている大半の人は、仕事モードやプライベートモードという明確な区別はなく、どの場面でも全力でいろいろなことと真剣に向き合うようになります。

 

  

自分の顧客、自分の仕事、自分の家族、自分の地域…それら全ての事をしっかりと向き合うようになると、必ず自分の暮らしにも丁寧に向き合うようになります。また、その向き合い方が、さまざまな感性を磨く日々に変わっていくため、多くの事に関心を持つようになります。

 

そもそも、完全なる人間などこの世には一人もいません。誰もがどこか不完全なのです。

でも、だから人間って面白い!…不完全であることをもっと楽しんでもイイ!と真剣に思っています。

    

自分にできること・自分だからできること・自分にしかできないこと…そうしたことから「自分のなりわい」が明確になると、「強がる」なんて無意味なことはしなくなり、自分の弱さに立ち向かう「負けず嫌い」が生れ、不思議とそういう人は、人には優しくなれたりします。

   

よく巷では、「コミュニケーションスキルアップ講座」ということも目にしますが、それらの「やり方」ばかりを学ぶのではなく、自分にしかできない「なりわい」を明確にしていく「あり方」の中の方が、大きな気づきがたくさんあります。

つまり、コミュニケーション能力を上げるというのは、そういう「なりわい」を育み続ける「人」としての基本的な「生き様」のことなのかもしれません。

結局は、一人ひとりが何かしらの「なりわい」を身に着けたら…不完全を楽しめる人がたくさん増えたら…これからの日本は、間違いなく心豊かな国になります。

  

そこには人を蹴落とす「競争」ではなく、一人ひとりの「なりわい」、一人ひとりの「生活者」による高め合いこそが、共に新たな価値を創る「共創」が一番機能していくのだろうと思います。

 

 

 

「意識の可視化」へ

 

長々と綴ってきましたが…結局は、このレーベルによって、ボクらは、草の根レベルから「意識の可視化」を皆さんにお勧めしたいということなんですね。

「意識の可視化のススメ」…何それ?って感じですが…実は、それほど難しい話ではありません。

  

つまりはこういうことです。 

  

先に述べた職場・家庭・地域…どの場面においても、「自分にできること・自分だからできること・自分にしかできないこと」…常に能動的に魅せる姿。

  

失敗を恐れずに、自分が不完全であることも楽しみながら、いくつになっても成長を止めずに高めようとする姿。

 

それを難しい理屈や正論を声高らかに主張するよりも前に、まずは自らの行動で示すことで「背中で語る」ということです。

 

それを自分自身が楽しんでやろうぜ♪…まさに「意識の可視化」とはそういうことです。

「あれ?…それって、めちゃくちゃ楽しそうやん♪」という周りの人への…そして次世代の子供達への気づきのキッカケになれば良いわけです。

 

何も特別なことではなく、自分ではごく自然体で「あたり前」であるからこそ、自然と長続きするし、次世代の子供達にも、頭ではなく心で理解します。

  

「あたり前」だからこそ心に響くんですね。

特別なことをやるよりも、「あたり前」を積み重ねようとする意識が特別であればいいわけです。

 

 

このLABEL SORAでは、「やり方」を他人に依存してばかりいるのではなく、自分らしい「あり方」を見出して、次世代の子供達の心に響く「今の時代だからこその生き様を示す独自レーベル」として始動しました。

  

今後、こうしたコラムだけでなく、トークセッションやマルシェ開催などのリアルを感じることも絡めて想いをカタチにして配信していきます。

   

それも一つの次世代の子供達の心に響くボクらなりの「意識の可視化」だと思っています。

  

  

『SORA』というネーミング

 最後に、このレーベル名となっている『SORA』というネーミングに込めた想いですが…

 

立ち上げたボクが「空好き」「夕焼けフェチ」「ヒコーキ雲好き」「できれば将来は旅客機になりたい(パイロットには興味なし)」という『空』好きで、厳しい環境が迫っている中でもずっと上を向いて行こうという意味もあります。

 

もう一つは、「次世代につなげたい」という想い…ココに尽きます。ドレミの音階で言うと、「ソ」「ラ」の後はまだ「シ」「ド」と次のオクターブにつながるというこじつけもあったりします。

 

この『SORA』というネーミングには、そういう「次につながること」「次につなげる」という強い想いを込めています。

 

2016年3月1日

レーベルそら

河合 義徳

 

 

  


      

LABEL SORA producer

   

  

河合 義徳 / コミュニケーション プロデューサー

 

企業・お店・地域コミュニティにおいて、目的と手段・あり方とやり方の整理を心がけ、価値創造力を高める事業カウンセラー。

どの場面においても、運営継続に不可欠となる「文化形成=無形資産のブラッシュアップ」の重要性を説く。 1967年3月大阪出身。

 

有限会社バックステージ 代表

JimdoCafe 大阪&神戸 運営

ふらっと交流会~ロコラボ~ ファシリテーター

躍心JAPAN 団長 


    


   

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