「生きる知恵と力を高める」をテーマにオープンコミュニティーの活動をしている「リベルタ学舎」という一般社団法人が神戸にあります。
こちらの理念は、「すべてのこどもが、未来に希望をもてる社会へ」…。そして、「いま生きている“すべての大人”が幸せだったら、“すべてのこども”が『大人になるっていいな』と未来に希望がもてるのではないか…」…それは全ての女性にも言えること。
代表の湯川カナさんは、「いずれはお母さんたちが気兼ねなく働ける実践的な働きの場」も実現していきたいと先を見据えています。
その湯川さんからの依頼を受け、この春から、「なりわいづくり講座(全6回)」を実施しました。
お金を得るだけでなく、社会とのかかわりのなかで、楽しみながら価値をつくり続けるためには…それを「会計概念」や「事業サマリー」を交えながら本格的に学ぶ講座です。
第1期生には10名の女性が受講参加され、7月1日…約3か月にわたる全6回の講座を終えたのですが…講座を主催した側も、企画運営に携わった私も、想像の域を遥かに超えた参加者の「覚醒」がありました。
そこで…
笑顔の自律を心がけるオトナ向け独自メディア「レーベルそら」だからこそ、この講座の本質に触れながら、第1期生修了の総括をコラムにすることにしました。
全6回を終え、参加者のお一人が感想を綴っておられたことがとても象徴的です。
(最終日の「自分が創る自分のなりわい」についての各個人の)発表、どれも心が震えましたー!
楽しく聴かせていただきながら、皆、なりわいづくり講座を通じて、それぞれの原点に回帰していった感じがしました。
おかえり、私たちー!
『おかえり、私たち』…この一言…ストンと腑に落ちる感じです。
受講者さんが、ココに立ち帰れたこと、ココに気づいてもらえたこと…。
講座を企画運営していた者としては、最高の手ごたえです。
「なりわいづくり」の一歩目は、「自分らしさを取り戻しながら社会と向き合う」ということだとボクらは信じて疑いません。
ボク自身の過去数多くの失敗から、その一歩目を間違えると、必ず無理がたたります。
この一歩目を間違えなければ…ウソがありません。
「あり方」に気づいて頂けたこの言葉…「なりわいづくり講座第1期生」…リベルタ学舎の関係者も含め、その場にいた誰もがストンと腹に据わった象徴的な言葉なんです。
この「なりわいづくり講座」というのは、1期生の前に「0期生」というものが存在します。
その0期生とは、リベルタ学舎の運営を手伝っている主婦の方々でした。
「主婦だから解る会計の話」と「事業計画の基礎のヘソ」を、主婦の方々に話してみてほしいという湯川さんからのご依頼がキッカケでした。
「主婦だから解る会計」の話では無形資産(見えない資産)が価値創造のチカラを向上させる原動力になる話を理解されると…まずは日々の自分の暮らしを丁寧に向き合う重要性に気づき…
「主婦だから解る事業計画の基礎のヘソ」話では、事業計画書は、単なる資金調達や起業の時だけのための「後々使えない見せかけだけの計画書」ではなく、顧客に支持される価値創造を続けられるための「後々ずっと使い続けられる行動計画」であるという「あり方」を理解されると…まずは自分の商品(なりわい)の先にある顧客の幸せを意識するようになる。
いずれも共通するのが「価値創造力」がキーワードです。
そして、「やり方」にこだわるよりも、「あり方」にこだわり続けることこそが、自分らしさも見失わず、自分にできること・自分だからできること・自分しかできないことのブラッシュアップに挑み続けられるということなのです。
そうすると、家庭での暮らしの場・地域との関わりの場・働く場・育みの場のそれぞれの「社会」との向き合いにおいて、コミュニケーション能力も上がるということ。
結果として…
リベルタ学舎の運営まで手伝い始めていた主婦の方々から、この2つの講座を受けて、『今の自分で良いんだ!』『気づきの中から夫婦仲が良くなった』『職場での働き方が変わった』『社会との関わり方に自信が持てた』と、次々と「覚醒」されていき、これをワークショップ形式のことも含めた連続講座にして、多く人に体感してもらいたい!という正式依頼となりました。
「気づき」を体感していただく講座づくりを、リベルタ学舎のマネージャーさんと協議を重ね、共創していったのです。
ご依頼頂いたとはいえ、大切にしたことは、「やり方」にこだわるよりも、「あり方」にこだわり続けるということでした。
自分らしさも見失わず、自分にできること・自分だからできること・自分しかできないことのブラッシュアップに挑み続けられるということ…
ここには徹底的にこだわっています。
それには2つの理由がありました。
1つ目は、なりわいの目的は「価値創造」であり、単なる「起業」を促す講座にはしたくなかったんです。起業が目的になってはいけないからです。
現在「も」なのですが、ボクのところには、どこかから評判を聞きつけられた行政や商工会的なところから、「起業講座」の講師依頼が後を絶ちません。
しかし、その大半をお断りしています。
なぜなら、主催者の目的が「多くの人をとにかく起業させること」になってしまっており、「価値創造力」が無い人までもまずは起業させてしまっていたりまで…。
しかし、残念ながら自己実現のためだけの起業ではは、絶対長続きしません。自分のスキルや自己実現はあくまでも手段の一つであり、目的は「マーケットに評価される価値創造力を高め続ける事」以外の何ものでもないからです。
もう1つの理由は、ボクらの考える「なりわい」とは、何も起業家や企業勤めしている人ばかりではいと思っていることです。
生計を立てる収入がなくても、家庭の価値を高め続けている専業主婦だって、立派ななりわい。稼ぐ人でなくても、地域活動やPTA活動などで、横の面の展開や、次世代への「つながりの価値」を創っている人も、立派ななりわいなんです。
社会形成の一員として、重要ななりわいを発揮する人が、あたり前のように存在する。
その存在価値が認められる…それを明確にしたかったんですね。
全6回、各2時間を要して実施してきた「なりわいづくり講座」は以下の内容です。
前後半を、基礎編と応用編の組み立てにして、レクチャー&グループセッション&個人発表の運営で行ってきました。
<基礎編>
<実践編>
応用編に突入すると、実在する有名企業を題材に「主婦である皆さんがこの事業者の社長になったと仮定してつくる事業サマリー」ということにトライしてみてもらっています。
このグループワークでは、事業運営の方向性をどうするかによってその後の事業展開が大きく変わっていくということを、リアルに体感頂きました。
また、ネット検索から、いろんなビジュアルで「自分のなりわいの先にある顧客の幸せ」を表現してもらったりもしました。
最初は「専業主婦の私が、事業計画だなんて…」という戸惑いもありましたが、結果としては、「経済ってこう動いているんだ…」「うちの旦那もこういう苦労をしているのかも」など、社会の一員になれた感じもあったと思います。
さらに…
これからの人口減に伴うマーケット縮小化では、個人的には以下の2つのキーワードがどんな場面でも重要になってくると実感していることも、皆さんと共有できました。
前者については、これまでは「オンリーワン」というのは、企業が生き残りをかけた他社との差別化・競争優位性を保つための事業者側の言葉だったように思います。
しかし、本来「オンリーワン」とは、一人ひとりの家庭の中で築かれるべきもの…これからの時代は、その各家庭の「オンリーワン」を実現してあげる事業者であることこそ、マーケットに求められる事業姿勢の時代に突入するということ。
後者については、単なるマーケティング的な「多様化する顧客ニーズに対応する」という話ではなく、1)に大きくリンクして考えるべき事業者側の姿勢のこと。
もう、この講座の最終回の頃には、ご自身で描かれるご自身の事業サマリーや、今後の自分のなりわいについての発表の時に、そのエッセンスがふんだんに盛り込まれている方も続出しています。
中には「そうや!元々私がやりたかったことはそこやった!それで良かったんや!」と気づかれる方まで…。
「オンリーワン」…これは単なる事業者側の競争戦略ではなく…細く長く愛され続けるために、顧客と共に価値を続ける「共創」にシフトして考えると、さらに「自分らしさ」を発揮できるチャンスが生れます。
あとは、仮説を立てたことを実践して、小さな失敗も小さな成功も自分オリジナルの財産として、次へのブラッシュアップのために検証をしていく…。その行動量を増やすだけなんですね。
次世代を担う子供達は、静かにそうした挑み続けるオトナの背中を観ています。子供達は必ず何かを感じています。
そう…子供達が良い形で「自立」と「自律」に目覚めてもらうためには…
まずは、我々オトナが、誰かに依存し続けることなく、決して優等生タイプである必要はないので、自分軸をしっかりと持って社会と素直に向き合う「自立と自律」を背中で語らないとね…
そういうことです!
なお、この講座は間違いなく「オンリーワン」だと思います。
ナンバーワンの軸はワカラナイですが、おそらく間違いなくオンリーワンな講座だと思います。
しかも、先に描いたように、リベルタ学舎社会デザイン学部のマネージャー二人との「共創」によってつくりあげたものです。
講座の中の一部のエッセンスは、以前より他でも何度も講演やレクチャーしているものですが、全6回のカリキュラムはオンリーワンな講座になっていると思います。
したがって、こうした理由から、リベルタ学舎さん以外からご依頼があっても、ボクは受託するつもりはありません。
この講座開催にあたり、ちょうどタイミング的には、リベルタ学舎代表の湯川カナさんが、あるメディアからの密着2日間取材をされている最中に、第1回目の講座が開かれていました。
第3者の目線で記事にされる…または取材を受ける上で、関係者がこの講座への想いを口にする(アウトプットする)…これによって、この講座の方向性をどういうものにしたいかということを、運営関係者全員が、さらにベクトルを一致させられたように思います。
このメディアは、「あしたのコミュニティーラボ」というWeb媒体。
富士通さんが運営しているもので、「みんなでつなぐ、豊かな社会…明日を見つめるメディア」として誕生したメディアだそうです。
「人にやさしく豊かな社会。その第一歩として、識者 とユーザーがともに考える、人中心の開かれたコミュニティーを目指します。」という主旨で運営されているところで、「なりわいづくり講座」を紹介頂いています。
でも…取材って…イイご縁になりますね~。
この取材に関西まで出向いて下さった富士通の方、メディアプロデューサーさん、カメラマンさん、ライターさんまで…とにかく感謝です。
ボクらの活動を本質を突いて取り上げて頂けるメディアはなかなか少ない中で、とても的確に、しかも良い温度で表現して下さっています。カメラマンさんのとらえておられる皆さんの表情まで、ちょうど良い温度なんですよね。
しかも、取材後もこの講座の行く末も気にかけて頂いていたりして…良い繋がりに感謝です。
その取材記事はコチラ↓
もしかしたら、第1期生の中にも、今後いろんな場面でボクもお仕事をご一緒させて頂く場面もあるかもしれません。
なんらかの形で、「価値共創」でお仕事を一緒にする機会もあるかもしれません。
受講生の皆さんにはお伝えしたように、ボクは先生でも指導者でもありませんから。
皆さんと一緒で、自分の「なりわい」を磨き続けるべき一人なだけですから。
チーム運営や事業プロジェクトに絡む「価値共創にむけた人のつながりのバランスをデザインする」のが、バックステージ(舞台裏仕事)な河合でもあるので、引き続き自己研鑽します。
なお、リベルタ学舎さんでは、秋になったら第2期生の募集も計画されています。
これは追ってリリースされるとは思います。
このコラムの締めくくりに、マネージャーさんが関係者連絡メッセージにあった言葉をいかに記します。
全6回に関する受講生アンケートをまとめて下さったあとの総括メッセージが、この講座を象徴するものでした。
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家庭や夫婦の関係が変わったという方が何人もいらっしゃるのが印象的だなと思います。
講座を通して、働き方を変える決断をした人も、仕事を増やした人も、減らした人もいて、でもどの方もその選択に納得して選んでいらっしゃるのが、「起業塾」じゃなくて「なりわいづくり講座」だからこそのものだなと思います。
最後の発表で、自分の軸や原点に立ち返って考えていらっしゃる方が多かったり、いくつかの仕事をしているけど、そこに通底する自分のなりわいのコンセプトを見つけ出した方がいらっしゃったりと、なりわいを考えることは「生き方の整理」なのだなと感じました。
だから、専業主婦にも、勤めている人にも、男性事業者にも、そして学生にも伝えたい講座になったのだと思います。
「就職前に参加しておけばよかった」
「起業(開業)する前に参加しておけばよかった」
「これから就職活動する高校生や大学生にも聞かせたい」
自分にウソがなく働く、何かに依存したり迎合せずに生きていく…その「あり方」について、いつでも原点回帰できる本質が、この「なりわいづくり講座」に凝縮されているからこそ、皆さんが目覚めるのでしょう
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あとは、写真にある受講生の表情でいろんなことが読み取れると思います(=_=)♪
<今後の開設の問い合せなどはリベルタ学舎まで>
Backstage,Inc.
カワイ ヨシノリ